夜、11時半過ぎ

やっとついた隣の家の2階の電気に

ちょっと 安心した


だって


誰よりも早く


アナタの顔を見て


伝えたいことがあるから。









誕小説  オノサ











携帯の時計 確認して

一言だけ メールを送る


少しすると

隣の家の2階の部屋の

カーテンと窓が開いた

同時に私も部屋の窓を開ける。



「おーちゃん。お仕事、お疲れさまー」

「ただいま。・・・何?」




“窓、開けて?”

って

一言だけ送ったメール



・・・気付いてないのかな このヒト。





「・・・んー、もうちょっと待ってー」

「ん?」

「ね、舞台のお稽古順調ー?」

「うん?順調だよ」





真っ暗な空に
 

2つの窓からもれる明かり
 

窓、全開にして


ちょっとだけ寒いけど


でも 心はポカポカ あったかい。















「あ。」

「ん?」

「電話だ」


こんな時間になんだろうー?

って不思議そうなおーちゃん。

あわてて時計を見る。





11月26日 0時ジャスト。





「っ待った!」

携帯持ってるおーちゃんに、おもわずかけた声

だって

なんのために こうやってしゃべってたと思ってんの










「お誕生日、おめでとうー!」










一番に おーちゃんの顔見て

コレが言いたかったから。










「・・・あー俺、今日誕生日かー」

当の本人は

そんなボケたこと 言ってるけどね。


でも


「ありがとう」


って


誰もが幸せになれるような


そんな笑顔見せられちゃったら


私の心臓 破裂しちゃうよ?










「ごめんね、携帯出ていいよ」


お祝いのメッセージ

お祝いのメール

たくさんたくさん届くだろうけど

幼なじみの特権。

誰よりも早く直接言えたから

私は満足。





「・・・んー・・・今はいいや」

「え?」

「俺、もう満足。」





そんな事言ったおーちゃんは

光り続ける携帯ムシして

にっこり 微笑んだ。





・・・なんだか恥ずかしくなって

でも嬉しくて

おもわず黙ってしまった私に

さらに 追い討ちの一言。















「 こっち、来る? 」















・・・ホントはね、すっごく嬉しくて。


顔がかぁって熱くなって


心臓 ドキドキして


でも



「・・・今日はいいや。
 おーちゃんお疲れでしょ?」



朝から夜まで毎日

舞台の稽古 稽古 稽古

私、知ってるよ?

おーちゃんがいつも

ヘトヘトになって帰ってくるの。





「私は、顔見ておめでとうって言えたから、満足。
 ・・・じゃ、おやすみなさい」





私は、おーちゃんの言葉も聞かずに

窓とカーテンを閉めた。


・・・これ以上 姿 見てたら


今すぐそっち 行きたくなっちゃう

























少しすると


突然鳴り出した携帯


その特定の着メロに


少しだけ 鼓動が早くなる。


一言だけ書かれたメール


一瞬 泣きそうになったけど


また カーテンと窓を開けた。





「それ、命令」





隣の家の窓から 私の携帯、指差して微笑む


ダイスキなヒト





「っ今・・・下行く・・・っ」





窓 閉めて

上着も着ずに とにかく階段駆け下りて

静かに 家を出た。

冷たい空気

澄んだ空に かすかに光る 星 と 月





“俺が会いたい”





今日はもう満足。

そう自分に言い聞かせてたけど

そんな言葉 見せられちゃったら

もう 我慢なんて必要ないよね。










おーちゃんの家の前に立って


ひとつ 深呼吸





カチャ


ドアが開いて


目の前の 優しい笑顔に


あったかい笑顔に





もうひとつ 伝えたかったコトがある。















「生まれてきてくれて ありがとう」





・・・出会ってくれて ありがとう。















あとがき

大ちゃん、ハッピーバースデー小説です。
一番気合入れて書かなきゃいけないヒトなのに
もういっぱいいっぱい(汗)
ほんとは、プレゼントを窓から投げるっていうのを
書きたかったんですが、無謀だと気付いてやめました。
なんか、読み直すとぐでぐでなので、もう逃げます(ぇ)
大ちゃん、お誕生日おめでとう!!

完成日 04/11/26(金)
UP    04/11/26(金)




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