花 火
午後6時5分前。
電車を降りて、ちょっと早歩きの私がいる。
今日は花火大会。
周りにはたぁくさんの人、人、人。
そんでもって、色鮮やかな女の子達の浴衣。
そんな私も浴衣姿。
紺地に朝顔柄
黄色の帯
けっして目立たない
いたってふつーの浴衣だけど
・・・カレは見つけてくれるかな?
とにかく6時に待ち合わせた駅は人で埋もれてて
周りを見渡すのもいっぱいいっぱい。
「まだ来てないかな・・・」
小さく呟いて時計に目を落とす。
6時ジャスト。
と。
突然腕を引っ張られ
誰かの腕の中に
すっぽり
私の体がおさまった。
顔を上げると
「みーっけ。」
満面の笑みのカレ。
“カノジョが浴衣着てくるんなら、俺も喜んで着ちゃう”
その言葉どうり。
白地に紺の柄。
紺色の帯。
手には朝顔柄のうちわ。
明るい色の髪の毛が
なんだか妙に浴衣に合ってて
トクントクン
私の心臓が高鳴り始める。
「・・けーちゃん浴衣似合う。」
「そ?俺のカノジョさんには負けますよ。
朝顔かぁわいい。」
・・・そんなに笑顔で言わないでほしいです。
顔、どんどんあつくなってるのは
きっと、気温のせいだけじゃないから・・・。
「行こ?」
はぐれないよーに
って。
おっきな手を差し出して
私の手を握る。
手、つなぐの
初めてじゃないのに
なんか手から体中に電気が走ったみたいで
心臓、破裂しそうなのは
夏の夜の魔法なのかな・・・?
「ぅわっ、今の花火でかっ」
パータパータ
ゆったりうちわを仰ぎながら
私の横のカレは声を上げる。
「今度のもおーきそー」
下から上がっていく花火を見つめ
私もそれに応える。
「・・・なぁ、今度さぁ」
「んー?」
「花火しよっ」
「あっ、いいねぇ〜しよしよっ」
「俺んちね」
「いいよー」
「んじゃあ、その日はうちにお泊りね?」
「えっっ!!?」
「え?」
「・・え///」
「顔あかーっ」
「なっ・・慶ちゃんが変な事言うからでしょー」
「んふふー」
「ヘンタイ」
「オトコですから♪」
「・・・」
「おっ、たまちゃん花火だっ」
「えっウソっ」
夜空には
たまちゃんの形をした
赤い花火。
「かわいー」
2人で顔見合わせて
笑い合って。
こんな時が
ずーっとずーっと
続けばいいのになぁ
って
夜空の花火と
繋いだ手に
願いを込める。
「・・なぁ」
「ん?」
「来年も再来年もその先もさ、2人で浴衣着て来よーな?」
「・・・ぅん。」
また2人笑い合って
ずーっとこの時が続きますよーに
って
ちっちゃなキスと
おっきな花火に
願いを込めて。
完成日 03/8/17 (日)
f i r e w o r k s
UP 04/5/23(日)
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