公英




それは5月になったばかりの暖かな日。


ちょうどいいお散歩日和。



「・・・気持ちいーっ」


そう言って

横でのびをしたのは

俺の彼女です。





久しぶりに休みをもらえた俺は、

家で寝るでもなく、

家で絵を描くでもなく、

家で粘土いじりをするでもなく、

こうして

彼女と

近くの原っぱに

散歩に来ているのです。





周りは緑がいっぱいで

草も緑が鮮やかで

その中に

これまた鮮やかな

黄色のたんぽぽが咲いています。


「ねーぇ?なんかたんぽぽって、おーちゃんみたいじゃない?」


そう言って

わたげを採って

ふぅーっと吹く彼女。

さわやかな風にのって

わたげが飛んでいきます。

こんなことしたの何年ぶりだろー?

って

彼女は嬉しそう。





「なんでー?」

さっきの言葉は

俺の頭の中では“?”で

嬉しそうな彼女におもわず聞いてみました。


「ん〜・・なんとなくなんだけど、ふわふわって自由な感じがするから。」


また謎な事を言った彼女は

黄色いたんぽぽを一本手に採って

近づいてきて

俺の髪の毛につけて

かわいい〜っ♪

って

けらけら笑って

喜んじゃってます。





はぁ〜

一つ溜息をついて

いざ、反撃開始!





彼女の細い腕を握って

どさっ

草の上に押し倒して


「こっちの方がかわいい。」


そう言って

俺の髪についてるたんぽぽを

彼女の髪の毛に移動。

ついでといっちゃあなんだけど

唇に

ひとつ

唇を

重ねてみちゃいました。





起き上がった彼女が

俺の服の裾を握って

小さな声で言いました。





「・・・おーちゃんは・・飛んでいかないでね?」







完成日    03/5/2 (金)
修正日    04/5/14(金)
UP         04/5/15(土)
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