何年も 何年も 待ち続けていた 今日という日 ・・・アイツが 帰ってくる。 幸 せ の 欠 片
アイツと初めて会ったのは、中学1年の時だった。 まだ真新しい、ぶかぶかの制服着て 心細いまま教室を見渡し、知っている顔を探す。 「おはよーっ」 肩をポンッと叩かれて 振り向くと、小学校からの友達 「えっ!同じクラス!?」 「同じだよーっ、やったね!」 知っている顔がいたことが嬉しくて キャーキャー騒いでいた時 横で呟かれた言葉 「うっせーよ」 コレが 私 と アイツ の出会いだった。 「もーらいっ」 「あ゛っ」 お昼休み 食後のおやつタイム 「私のポッキー!!」 「あーうまい」 「返せー!最後の一本ーっ!」 「もう食った」 「もうサイッアク!!バカっ」 「んだよっ、一本ぐらいいーだろっ!ケチっ」 「ケっ・・・」 「ホラホラ、落ち着いて」 友達になだめられて、席に座らされて ベーってアイツに向かって舌出してやった。 アイツは鼻で笑って、スタスタ歩いていく(ムカツク!) 「あんた達さー、ホント仲良いね」 「はっ?どこがっ、あれのっ」 視線を窓際に向けると 友達とじゃれ合っているアイツ。 窓から入ってくる太陽の光が アイツの真っ白いシャツを照らして なんだか 眩しくて 目を細めた。 「喧嘩するほど仲がいいって言うでしょ? 喧嘩友達からカップルになっちゃったーとか、よくあるハナシ。」 「カっ!?ありえないっ!ありえないからーっ!!」 「・・・どうだかね?」 あの頃は、ホントただの喧嘩相手。 くだらない事で言い合って なんとなく笑い合って。 奇跡的に、3年間同じクラスになった私達は 中学2年になっても、中学3年になっても この関係は続いていた。 いつも言い合っている相手はアイツで なんとなく笑い合っていたのもアイツと。 自然に私の横にはアイツがいて だからなのかな。 気付いたら やっぱり 私の心は 私の恋は 少しずつ ほんの少しずつ 色づきはじめていて それはそれは 淡い 桃色に─── それは中学3年の夏休み 夜、突然電話が鳴った。 相手はアイツで。 「花火しねー?学校で」 夜10時、こっそり家を抜け出して たどり着いた学校には 私 と アイツ 2人だけだった。 「・・・何・・・どーゆーつもり・・?」 ほんの少し、熱くなったカオ 夏の気温のせいにして 「・・・花火、すんぞっ」 アイツの声 どこか、頭の奥で聞いていた。 「わっばかっあぶなっ!」 「お前がそこにいるからだろー」 「は?もうお返しーっ」 「わっ、あぶね!」 「 あははっ 」 2人笑い合って こんな時間が嬉しくて すごく愛しくて 一生続けばいいのに なんて 乙女みたいなこと、思ってた。 「・・・お前、もう帰る?」 花火がすべて終わったのは、もう24時近く。 でも・・・帰りたくない。 きっと アイツも思ったことは同じで ちょっぴり切なそうなカオが見えたから 「・・・まだ・・・平気。」 自然とそう答えてる自分がいた。 心のどこかで きっと 何かを期待して 閉まっている学校の教室 開いていた窓からこっそり忍び込んで それはまるで、秘密の密会のようで ドキドキドキドキ 月明かりが暗闇に光を射す 誰もいない教室に2人っきりで 並んでいる机のいすに座った。 「・・・お前さー」 「・・・ん?」 「どうすんの?・・・進路。」 「んー?・・・とりあえず・・・近くの高校・・・かな。 ・・・受かるかわかんない・・・けど。」 「・・・ふーん・・・」 「女子高すべり止めで・・ってカンジです。 ・・・そっちは?」 「・・・・・・俺・・は・・・・・・」 どこか アイツのカオが強張った気がして ・・・後悔した。 聞いた事を。 「・・・・・・俺さ・・・」 「・・・・・・ぅん」 「・・・俺、留学・・したいんだ」 「・・・ぇ・・・」 思ってもいなかった言葉に 頭の中 真っ白 でもアイツは言葉を続けた 私の心に 突き刺さるような言葉を 「・・・俺、英語好きだし。 なんか日本だけに留まってたくないっつーか・・・ 可能性、広がる気がすんだ。留学すれば。」 窓の外を眺めているアイツの顔は 月明かりに照らされて、私の瞳に映り その夢を語る姿は すごく 輝いていた 「・・・どれくらい・・・行くの・・・?」 「・・・わかんねぇーけど・・・ 大学もあっちの大学行きたいと思ってる」 「・・・そっ・・・か・・・」 「・・・何?寂しい?」 アイツが笑いながら私の方を向いて ・・・固まった。 「・・・お前・・・何泣いてんだよ・・・っ」 「・・・っ・・・」 ぬぐっても ぬぐっても 堪えようとしても 私の頬に落ちてくる とめどない涙。 「べっ別に・・・っ 突然ゆーからびっくりして・・・っ」 突然 アイツが立ち上がって 私の前に立ち そぉっと 私を抱きしめた 「・・なっ・・・はっ・・・はなし・・・っ」 「好きだ」 「・・・っ・・・」 突然の告白と ポンポン 頭を優しくなでられる 大きな あったかい手に さらに涙はあふれる 「・・・そっちは?」 「・・・・・・なに・・・」 「どー思ってんの?俺のコト」 「・・・っ・・・」 「ねぇ?」 いたずらっぽく覗き込んでくる瞳 その瞳は、明らかに 私の答えなんて わかりきってんのに 「・・・・・・」 「シカト?」 「・・・・・・・・・す・・・」 「す?」 「・・・・・・・・・・・・・・・好き。」 「知ってる!」 「っ・・・バカっ・・・」 「顔あつー」 ふにふに 私のほっぺ、つねりながら 嬉しそうなアイツの顔 「バカっ・・バカバカっ 死んじゃえっ」 「あっひっでー、俺が死んでもいいのかよー」 「やっやだっ・・・」 もう わけわかんなくなって 気持ちぐちゃぐちゃ 顔も 涙でぐちゃぐちゃ 整理のつかない心を 「はぃはぃ、落ち着けって」 落ち着かせてくれたのは やっぱり アイツの 大きな手だった 「お前・・・将来どーすんの?」 「・・・は?・・・そんなん・・・まだわかんないよ・・・」 「じゃあ、高校出たらー・・・とか」 「・・・先生みたい」 「俺?」 「・・・うん。」 「だって聞きてーじゃん。・・・お前の夢・・・とか」 「・・・私は・・・アンタと夢の語り合いができるような・・・ そんなちゃんとした夢なんて・・・ないもん」 「夢にちゃんとしたとか、ちゃんとしてない とかねーよ。 ただ、お前が高校出たらどうしたいのかー って。 そんだけのことだよ」 「・・・大学は・・・行きたい」 「うん」 「・・・でも・・・行きたい・・・ってだけで、 何になりたいとか・・・まだわかんない」 「あんじゃん。夢」 「え?」 「大学に行きたいー って、夢じゃん。ソレ」 「・・・うん」 「・・・俺 さ、留学して・・・いっぱい勉強して。 ・・・すっげーかっこいい大人んなって、帰ってくる。」 「・・・ぅん」 「だから・・・」 「ん?」 「・・・・・・大学、2人とも卒業して。 ・・・俺が・・・日本に帰って来たら・・・」 「・・・うん」 「俺の・・・」 「俺の・・・嫁に来ない?」 「・・・・・・行ってあげてもいーよ」 「ぅわっ、可愛くねー」 「どーせ可愛くないですよーっだ」 恥ずかしくて恥ずかしくて いーっだ って 照れ隠し しようとしたら 肩 掴まれて ホント一瞬 私達の姿が 重なった 「っ・・・」 「・・・誓いのキス したからなっ」 約束! そう言った 月明かりに照らされたアイツの顔は 真っ赤。 きっと 私の顔も同じ事になってるんだろうな。 深夜の2時 私の家への道のり 右手に アイツのぬくもりを感じながら おっきな手 あったかい手 ・・・やっと今日、感じることができるんだね 大学を卒業した 最後の春休み バイト先、抜け出して 色々な思い出 頭の中で 駆け巡らせながら 向かうはアイツの元 会うのは、何ヶ月ぶりなだけだけど これからは もう あんな悲しい別れはしないで済む やっと アイツが帰って来るんだ 大勢の人の 再会 と 別れ が繰り返される 嬉しい場でもあり、悲しい場でもある 空港 に 今、私は立っている。 嬉しい気持ちを、噛み締めながら いくつもの足音 騒音の中に かすかに聞こえた アイツの 私の名前を呼ぶ声 ただ その声をたどると 目の前には 黒いTシャツ に ジーパン 姿の 懐かしい 愛しい アイツの姿 「ただいま」 「・・・・・・おかえりなさい」 やっと 感じることができた アイツの ぬくもり 右手に繋がれた あの頃よりもおっきな手 あったかい手 もう 離さなくて いいんだよね 「なんかね、同窓会開こうって」 「同窓会?」 「うん。帰国祝いだって。 中1のクラスで。」 「中1!?俺達が会った時かぁ」 「そぅだよー。9年ぶりの同窓会だよ。 懐かしいねー」 「そんな経つかー」 「・・・まさかあの時は・・・ こんなことになってるなんて、思わなかった」 「そ?俺、思ってたけど」 「えっっ」 「だって俺、入学した日だし。 お前のこと、好きになったの。」 「・・・うそ」 「だから、ちょっかいだしてみましたっ」 楽しそうな いたずらっぽい瞳は 大人になったけど やっぱり どこか懐かしい あの時の 瞳 「・・・でも、みんな驚くかな?」 「ん?」 「こうやって、行ったら」 「どーだろーなー」 繋いでた手 見つめてたら 突然 アイツの足が止まった 「ん?」 「・・・もっとさ」 「?」 「もっと・・・みんなのこと、驚かせてやろーか」 「え?・・・何が?」 「だから・・・」 真剣な瞳が向き合って 私の体が固まる 動けなくなる 「・・・だから」 「・・・ん」 「俺の・・・嫁に来ない?」 「・・・・・・行ってあげてもいーよ」 「ぅわっ、相変わらず可愛くねー」 「どーせ可愛くないですよーっだ」 2人 笑い合って 自然に重なる 2人の姿 「っ・・・」 「・・・誓いのキス したからな」 あの頃は アイツから 与えてもらったもの が多すぎて アイツと離れ離れになって 失ったもの が多すぎた 幸せ という気持ち。 離れている事が 寂しくて 悲しくて くじけちゃいそうになった。 そんな時はいつだって あの頃の ぬくもり 思い出して あの頃の 幸せ 思い出して だけど これからは 2人 ずーっと一緒に 幸せ 育んでいけるんだね 「もう絶対離れないでよねっ」 「もうぜってー離れねーよっ」 これからは 2人 で 永遠に。 完成日 04/8/13(金)
| SEO | [PR] 花 激安 温泉 アルバイト | 無料レンタルサーバー ブログ SEO | |