「ありがとう」 なんて いつもは絶対言わないけど T h a n k U 私はそこらの女の子とは違う。 か弱くて 素直で 守ってあげたくなるような そんな可愛い女の子じゃないから。 「重ーっ」 学級委員だから って先生に頼まれた資料運び。 クラスの人数分の資料はかなりの重さで。 力には自信のある私にだって、さすがに重い。 男子学級委員は・・・逃げたな。 でも 誰かに頼るのはイヤ。 いつからか、そう思うようになっていた。 自分ひとりで抱え込んで。 だって 私は強いから。 だって 私はか弱い女の子じゃないから。 「っ!?」 突然ふわっ、と軽くなった資料の山 「うわ、結構重くねぇ?」 同時に私の前に現れた高い背 低い声 小さい頃から見慣れた笑顔 「・・・何」 「何って・・・、お手伝い」 「別に、頼んでない」 「可愛くねぇのー」 ケラケラ笑って、私より大量の資料を持って歩いてく。 「つーか、一人で持てる」 「は?重ーっつってただろ?」 「っいいよっ、一人で持ってくっ」 男に助けてもらうなんて柄じゃない。 今までだって、何だって一人でして来たの。 幼なじみに助けてもらうほど、私は軟じゃない。 だって私は強いから。 ずっとそう思ってきたんだから。 「・・・お前は自分で思ってるほど、強くねーよ」 そう一言だけ残して スタスタと重い資料を持っていく背中。 「・・・な・・・に」 さっきより軽い私の手元 「・・・なんで・・・アンタが・・・・・・」 今までより軽くなった気がする 私の心 「・・・アンタに・・・私の何がわかるって・・・」 自然と熱くなる顔 「・・・なんてこと・・・ゆーの・・・」 視界が霞む 私は強いけど そこらのか弱い女の子とは違うけど でも 本当は そう、思ってたかっただけなのかな 素直になんてなれないから 可愛くなんてなれないから だから せめて 意地張って 強い女の子でいたかったのかな 「ありがとう」 なんて いつもは絶対言わないけど 教室の教卓の上  アイツが運んだ資料の上に 残りの分、のっけて 窓際で友達と笑い合ってるアイツに ちょっとだけ嬉しい言葉をくれたアイツに ほんのちょっとだけ 素直になって、みようかな。 「・・・・・さっきは、・・・ありがと。」 きっと とっびきりのアイツの笑顔が見れるから。 完成日 05/5/15(日)

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